タイトルのとおりである。
アマチュアマイクツクラーに向けて
例えばバイノーラルマイクなんかを作ろうとする。
バイノーラルマイクなんてのは所詮2つのマイクを同時に動かすわけで、すると自作マイクに行き着く。
大体日本人で自作マイクを調べるとShinさんのパナ改に一回は行き着く。
1925 :ファンタム式パナ改、fetⅡを自作される方に大切なお知らせ (前編)
つい先程更新された、パナ改のこれまでが書かれているわかりやすい記事である。
ただし、丸っきりの初心者や、これからマイク制作を始めようかと思う人に向けて、もう少しこの記事を噛み砕いて説明しようと思う。
というのも、この記事、もといパナ改シリーズはある程度「製品」としての側面を持つからだ。
プロが使うような環境で、スタジオで、電気技師ではない人が使えるマイクとして設計されている。
そのような前提を理解しないでこの記事を読むのは少しもったいないよ、という話である。
本題
以下、元の記事から引用しながら補足していく。
ステレオミニプラグ
それは優れたシステムではあるものの、致命的欠陥が併存して、当時の民生用レコーダとの間で必ず問題を起こしました
(参考記事)>
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10733817436.html
(1051 ミニプラグ・ジャックの宿命的欠陥について)
…
(中略)
…
実験レベルなら構いませんが、実用としてはミニプラグ、ジャックの腐食・電蝕により必ず問題を起こします。
ミニプラグ、即ち3.5mmステレオプラグを使うとろくなことが起きないよという話。
誰しもイヤホンなんかで接触が悪く、ケーブルをぐりぐり回して直した経験があると思う。
しかし、「実験レベルなら構わない」とあるように、作った本人だけが使うような条件下ではいきなり致命傷になるほどではない。
何よりミニプラグは、「100均でイヤホン延長ケーブル買ってバラせば手に入る」というメリットが有る。
あなたが全くのホビーストなら、そこまで気にする必要はない。
まずは身の回りで安く手に入るパーツをふんだんに使い、いざ問題が起きた時追加で投資をすればいい。
ただし、「真似するな」と書いてある回路図は「2 wires Linkwitz」と呼ばれるもので、これは本来GNDになる(マイクにとってシールドになる)ところを電源にして動作させる代物なので、何で接続しようとお勧めできるものではない(それこそ実験用レベル)。
必ずしもコネクタの中に入れる必要は無い
XLRコネクタの中にはかなり楽に仕込めて信頼性の高いコンデンサマイクが実現することができました。
パナ改シリーズを追っている人には最早おなじみの、回路をコネクタに収容するというアイデア。
これは中々優れた方式だが、必ずしもそうである必要はないので注意されたい。
もしも電子工作を始めたばかりなのであれば、無理して小型化する必要はなく、適宜ケースなりを中継して広々とした回路を組めばいい。回路図から配線図を起こすいい練習にもなる。
一応紹介しておきたいSchoeps回路
次元の異なる信頼性と電池箱のいらない使い勝手の良さで、今では「ファンタム式パナ改」は「パナ改方式」のスタンダードとなって、従来のLinkwitz-Modはこの10年でほぼ見られなくなりました。
従来のLinkwitz-Modはそもそも3線式改造止まりであり、ファンタム電源方式でECMを駆動するアイデアとしてはSchoeps Circuitというものが今も存在している。
Shinさんは当然Schoeps回路をご存知ではあるが、一応その名前をここで紹介しておく。
というのも、ECMのファンタム駆動回路としてはSchoeps回路の方が古参だからである(回路の動作が若干異なるので、どちらが上という話ではないが)。
そのため英語ではあるが資料は充実しており、挙動を学ぶ上で参考になると思う。
名前
そして、パナソニック以外のカプセル改造では「ファンタム式パナ改」とは呼べないのかな、「3線式改造ソースフォロワー」って長ったらしいですね。
「P改」「3線式改造」「ソースフォロワ改造」・・・・・
なにか良い呼び方はないものでしょうか。
すっごい分かる。というか「ぱなかい」って打って一回で変換できないのが辛い。
ストレートに呼ぶなら「3線ファンタム式」とかになるのかな…ちょっと味気なさすぎるかな…
他にちょっと補足
fet-IIの回路図で使われているパーツの内、もしも手に入りにくいとか金がねぇとかで変更したい場合は、下記のようにするといい。
・Wima MFコン 0.22uF
→耐圧が50V以上あって、セラミック系のコンデンサでないなら変えても良い(分かる人には分かるらしい…)。例えばこれ。
・抵抗 1MΩ
→在庫事情にもよるが多少前後しても構わない。最悪無くても動作はする(動作確認にどうぞ)。
最後に
お前もマイク自作沼に落ちろ。